ミュシャ展

今月はとってもいい展示に沢山出会えています。

いろいろ感じたり考えさせられたので、書き留めておきたい。

まずはミュシャ展。


入場時はあまりの人の多さに、見る気力を奪われる。
なのでパリ時代のポスターやパッケージデザインはさらっと。

だけど、だんだんと。
こんなにもナショナリティや宗教にこだわった人だったのか!
ということに驚き、表現の多彩さに感動しました。

『スラブ叙事詩』や『百合の聖母』はもちろん、
『戦争』と題されたほとんどスケッチのような絵に、
がーん、とした。

山のような死体と、血と。
それを見つめる画家の視点。
どんな気持ちが。


そもそもミュシャのこと、アールヌーボーのおしゃれなデザイナーだと思ってました。
恥ずかしい。


「私は芸術のための芸術を創るよりも、大衆のための絵の制作者でありたい」


どんな表現においても、このことばに表される信念の一貫性を感じることができた。
心に留めておきたいことば。

あとは、
『四芸術』『四季』『宝石』
などの連作作品がやっぱり素敵だった。
全身から溢れる女性の表情が、あまりに豊かで!

女性にこうした美の概念を象徴させるというのは、よく見られる手法だけど
なぜなんだろう。
ここでの女性性ってなに。


ミュシャの思想を通して、
大衆と芸術、大衆と美、国や宗教と人間、女性の記号性?など
個人的に最近気になるテーマに浸れた、後引く展示内容でした。