マリオ・ジャコメッリ写真展

「白、それは虚無。黒、それは傷跡。」


なんて詩的な写真なんだろう。
とずっと思ってたけど、
ほんとに詩人さんでもあったのね。
これまた恥ずかしながら知らなかった。

写真美術館の前回の展示も行ったはずなのに。。

あ、写真の方はとっても覚えていました。
『私にはこの顔を撫でてくれる手がない』
とか。すきです。

でも今回は、タイトルのことば選びとか、添えられた詩に心うたれたかんじ。


「それぞれの映像はひとつの瞬間であり、それぞれの瞬間はひとつの呼吸である。
ひとつ前の呼吸が次の呼吸より大切だということではない。
呼吸は全てが停止するまで次々とつづく。」

「風景は始め人間と同じ物質
肉のことを考えながら生まれた
土は人間の肉と同じだ」

「写真は与えられた場所の中で私が関わった証拠である。
私の創造
それはしばらく死んでいる間に 考えたことを記録すること
だから我々は毎日死ぬ」


『Un uomo, una donna, un amore (男、女、愛)』


写真にも、言葉にも匂い続ける、死。
それはジャコメッリにとって呼吸のようなものだったのか、
激しく意識的なものだったのか、
よくわからない。


それにしてもオリジナルプリントが見られるなんて、しあわせなことよ。



2Fでやってた、「アーウィン・ブルーメンフェルド 美の秘密」もよかったです。
足し算引き算の上手い写真。
かっこいい。

背景である時代の暗さや華やかさを理解できてないのが悔やまれる。